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韓国のマチュピチュと呼ばれる絶景

韓国といえば、カジノ、焼き肉、カンナムスタイルしか知らないとあまりに無知な管理人の私。今回何かを取り戻すかのように、甘川洞文化村について調べました。
山に囲まれた港町 釜山にある集落の1つが甘川洞(カムチョンドン)
まるで絵本の1ページのような街並みですが、この地域は山間に立ち並ぶ家屋を利用したアートで町おこしを行っています。
アート×家屋という大胆な発想ですが、それがこれだけキレイな景色を生んでいるわけですね。
鮮やかに彩られたのは家屋の外壁だけではなく、路地の至るところにオブジェなどのアート作品が並んでいます。街全体がアートなんですね。
マチュピチュといえば、ペルーが誇る世界遺産ですが、なぜ甘川洞文化村が釜山のマチュピチュと呼ばれるのでしょうか。
答えは簡単。入り組んだ路地が本家マチュピチュのような迷路状態であるため。そもそも今回の町おこしもマチュピチュプロジェクトと名付けられています。
気になってくるのはどうして迷路のような路地なのか?住みやすさを考えたら明らかに住みづらいです。
その秘密は…
迷路上の路地には理由があった!

街全体をアート作品にしている甘川洞文化村。路地にもアートなオブジェが並んでいますが、なぜか道は迷路のように入り組んでいます。碁盤目状に区画されていないわけです。逆京都ですね。
でもこれには理由がありました。
実はこの地域は、1950年代に太極道という新興宗教の信徒や朝鮮戦争の難民が集まって形成された村だったのです。
難を逃れて集まった人々なので、お金もなく、とりあえずその場しのぎのバラック小屋を建てていきました。
お金があれば、区画整理や利便性を考えた町づくりができますが、そんなきれい事を言える状態ではなかったわけです。「屋根があって雨風凌げるところをつくろう」ということですね。
持たざる者が逃げてきて生まれた町ですが、さらなる悲劇が襲います。それはお金を稼いだ人々が次々と村から離れていってしまうこと。誰だってお金が入れば豊かでいい暮らしがしたいもの。
そのため甘川も貧しい人だけが残ってしまうという悪循環に陥りました。
アートで村に元気を!

そうした歴史的背景のある町・甘川をアートで町おこしに成功して、今ではこの美しさを求めて観光客が年間30万人以上が訪れるそうです。アートってすごい!
実は韓国がアートで町おこしをしているのは甘川だけではありません。調べてみると、2006年には、ソウルが支援する公共美術プロジェクト「ART in CITY」で駱山(ナクサン)を再生しています。
駱山はかつてスラム街と化していた町でした。甘川と同じように町は山の斜面にあり、住みづらい地域です。その場所にアーティストの美術作品を設置して町おこしをしました。
この動きは甘川をアートで町おこしするより前の話で、駱山の成功を受けてこのようなアートプロジェクトは韓国全土に広がっていったそうです。
マチュピチュもそうですが、以前ボリビアを旅した時、首都ラパスはすり鉢状の町でした。バラック小屋のような家が並び、日本人からすれば裕福ではないのは明らかですが、確かにすり鉢状の町並みの写真はキレイなんですよね。
アート化されていなくてもキレイな町ですから、そうした美しい町をキャンパスに芸術家がデザインすれば、より美しい町になるのは必然なのかもしれません。
ちなみに下の写真がアートによって生まれ変わった駱山です。

甘川洞文化村へのアクセス

これまで話しているように甘川洞文化村は、山間に立ち並ぶ町なので坂道を登らなくてはいけません。最寄り駅から電車を利用しても20分以上かかります。となると歩いていくのはかなり厳しいので、バス、タクシー、電車を利用しましょう。
タクシーを利用する場合は、チャガルチ駅もしくは土城(トソン)駅を使いましょう。ちなみにチャガルチは漢字表記がなくハングル表記だと「자갈치」になります。
韓国に詳しい人に言わせると、韓国のタクシー料金は日本に比べてかなり格安。電車代と大差ありません。なので個人的にはタクシー利用をオススメします。ただし、タクシーには日本人をカモにする悪質な会社もあるのでご注意ください。
タクシーで向かう場合、チャガルチ駅からだと約3500ウォン(350円)、土城駅からだと約3300ウォン(330円)です。10〜15分ほどで着きますよ。
②チャガルチ駅 or 土城駅からタクシーを利用しよう
③料金は日本円で330〜350円ほど。
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